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シックハウス症候群で仲介手数料紛争=横浜
2010年09月21日09時03分 / 提供:PJニュース
消費者は2010年2月21日に仲介業者と共に神奈川県横浜市内の新築戸建てを内覧した。仲介業者との内覧は、この日のみという。この物件について、2月27日に重要事項説明及び契約締結を実施した。
その後、消費者は3月20日に引き渡し前のチェックで建物に2時間ほど滞在した。その際、鼻や喉の痛み、酷い倦怠感を感じ、シックハウス症候群と思われる症状に3日以上悩まされた。消費者は不安な気持ちのまま悩みに悩み、このような家には住めないとの判断に至った。そして3月26日、やむなくキャンセルする旨を仲介業者に伝えた。後日、消費者は化学物質過敏症の診断を受けた。
仲介業者は24時間換気のスイッチを入れたと連絡し、ハウスクリーニングの影響が原因ではないかと説明した。しかし、キャンセルについては何らの対策を打ち出さなかった。契約履行の着手に入っているために違約金が400万円かかるとの売主の言い分を繰り返し、契約続行を要求した。問題の仲介業者は大手フランチャイズ加盟店で、消費者は本部の相談窓口にも相談したが、以下のような素っ気無い回答であった。
「契約は履行の着手が行われているため、売主が違約金発生と言うならば発生する。加盟店の行為について本部に責任はない。」
最後には「業者を選択したのは貴方の責任」とまで言われたという。消費者は弁護士を代理人として契約解除を通知し、売主の弁護士と協議した。当初、売主側は3月23日に消費者の名義で表題登記が完了していることを根拠に履行の着手に入っているとし、手付け解除は認めないと主張した。これに対して消費者側は、表題登記は売主(建主)の義務であり、買主には無関係と反論し、最終的には5月末に手付け金放棄による契約解除が成立した。
問題は仲介業者であった。仲介業者から6月11日に事務所まで仲介手数料全額(約100万円)を持参するよう内容証明が届いた。しかし、消費者は以下のような仲介業者を許せなかった。
第一に体調不良を訴える消費者に「病気なんですって?」「私はなってないからよくわからない」とシックハウス症候群への無知を露呈した思いやりに欠ける発言である。
これは私にも経験がある。仲介業者の案内でリノベーション住宅を内覧したことがあったが、その住宅は新築住宅特有の化学物質の臭いが強烈であった。その旨を仲介業者に指摘すると、驚いたことに「私は、この臭いが好きです」と回答した。消費者への共感力に欠け、業者の基準を押し付けようとする業者から購入しなかったことは当然である。
第二に困惑している買主に対し「どうしたらいいですか?」と逆に尋ねてきた。消費者には回答しようがなく、不動産取引のプロとは思えない態度であった。
第三に手付け解除が出来ないなどと誤った法律知識で虚偽の説明をしたことである。
このため、弁護士とも相談した結果、内容証明郵便は無視し、その後の連絡を待つことにした。しばらく音沙汰がなかったが、8月28日に唐突に神奈川簡易裁判所から訴状が送達された。
消費者はトラブルがあっても、問題解決に尽力する常識的な仲介業者ならば、弁護士を頼む必要はなく、仲介業者の活動に報酬を支払うことに異論はないと主張する。また、問題があっても強引に契約を進める不動産業界や、分かりにくく高額な仲介手数料制度に大変な疑問を感じているとする。仲介業者にも確認したが、「ただ今、裁判中のため、お答えできません。」との回答であった。
消費者が手付け放棄での契約解除で売主と合意した点を消費者側の都合による解除と受け止めるならば、消費者の立場が弱くなる。裁判では物件の実際のシックハウスの程度や仲介手数料の発生条件についての売買契約の解釈が争点になると予想される。【了】
